傷は消毒しない、乾かさないという湿潤療法がだいぶ認知されてきていますが
夏井先生がテレビや雑誌などで実際の症例を公表していただいたおかげだと思います。

2002年頃、私の担当ではなかったのですが傷がなかなか治らない患者さんがいてインターネットで色々と調べていたところ夏井先生のサイトにたどり着きました。
これだ!と思い、実行に移したところかなり改善し退院にこぎつけることができました。

その後、大学病院へ戻った際に手術室でも病棟でも湿潤療法を導入・普及させるために助教授や、救命救急センターを巻き込んでいきました。
湿潤療法が浸透するに従って手術後に傷が開いてしまうことがかなり減りました。

ベテランの先生にはなかなか理解していただけませんでしたが、研修医は先入観がない分スムーズにりかいしてもらえました。
当時週刊少年マガジンでゴッドハンド輝という漫画が連載されていましたが、研修医の多くがこの漫画を読んでいました。2005年第9号(2月9日号)で湿潤療法の事が取り上げられました。


これは研修医だけでなく多くの医療関係者に読んでほしいと思い、3冊購入し医局と病棟において半ば強制的に読んでもらうようにしました。

湿潤療法を普及させるに当たってこの漫画はとても役にたちました。

で、おまけがありまして
この次の第179話で「脾臓破裂」が取り上げられたのですが、この日救急病院で当直していたところバイク事故で搬送されてきた少年が脾臓破裂(損傷)だったのです。
程度が軽かったので入院安静のみで手術しなくてすみましたが、本人と家族への説明の時に「ゴッドハンド輝」を読んでいただきました。
怪我をした本人はすでに読んでいました。

年の瀬で急ぐこともあるかと思いますが運転には十分注意してください。
くれぐれも飲酒運転しないようにして新しい年をお迎えください。

まちだクリニックは12月30日から1月4日まで休診とさせていただきます。
1月5日から通常通り胃・大腸カメラ検査を行います。
傷の湿潤療法も行っていますので火傷や擦り傷等でお困りでしたらご相談ください。
それではみなさん良いお年をお迎えください。

まちだクリニック