長距離を歩いたり走ったりするのですから草履(ぞうり)ではなく草鞋(わらじ)を履いていたのだと思いますが、どのような歩き方(走り方)をしていたのでしょうか。

テレビや雑誌で紹介されるウォーキングの基本姿勢は
1.背筋を伸ばしてますっすぐに立つ。
2.肩の力を抜いて背筋を伸ばす。
3.肘は軽く曲げて前後に大きく振る。
4.膝はできるだけ曲げない。
5.かかとから着地
6.指の間を広げて地面を掴む。
7.つま先でけり出す。

などと書かれていることが多いと思います。
この歩き方で東海道五十三次を歩くことができたでしょうか。

一文と一両の価値によれば
1820頃の江戸では草鞋1足16文で、耐久性は旅に出ると1日もつかもたないかだったそうです。
そば(もり、かけ)も1杯16文程のようです。

草鞋でこの歩き方をして1日もつでしょうか(490km ÷ 14日=35km/日)
かかとに衝撃吸収機能のない草鞋ではかかとと膝を痛めてしまいそうです。
この理想的な歩き方を実行するには高機能な靴の存在が必要だとおもいます。

靴の歴史より
江戸時代、外国人を通じ日本に入った洋靴であったが、本格的に一般大衆に広まるのは1920年頃の大正時代に入ってからである。
日本で靴が一般的になったのはまだ100年にもならないのです。
ヒトの祖先がチンパンジー類と別れてから約700万年程度、タンザニアのラトリエ遺跡に残る二本足歩行のはっきりとした足跡の化石は360万年前だそうですが、靴を履くようになったのはごく最近のようです。

人間以外の動物で履物を履くのは馬(蹄鉄)くらいでしょうか?
その馬の脚は人間で言うところの中指しかなく、かかとは宙に浮いている。

wiki趾行(しこう)
趾行(しこう)とは、踵を浮かせた爪先立ちの状態で直立し、歩行すること。これを行う生物を趾行動物(英: digitigrade)と呼ぶ。爪先立ちになることで脚全体の長さを稼ぐことができ、特に高速での移動において有利となっている。なお、休息時には踵を地面につける。イヌやネコ、虎など多くの地上性哺乳類、全ての鳥類がこれに含まれる。
「土踏まずが(ほとんど)ない子供が増えている」といわれますが、普段からかかとをつけて歩いているから土踏まずができないのではないのでしょうか。

裸足で歩くと地面の様子がわかります。
砂利だと痛いのでかかとをつけては歩けません。捻挫もしにくくなります。
爪先立ちで歩いていると足首を柔軟に使えるようになります。

https://mshoji.wordpress.com/2010/06/11/(6)サッカー王国/によれば
空き地や、砂浜でサッカーに興じる子供たちは、総じて裸足で、シューズを履いている子供は一人もいない。結果的に、これがブラジルの選手たちの、魔術師のように、足による絶妙のボールコントロールを可能にし、どんな状況で、いかなる体勢からも、足の芯でボールを捕らえてシュートできる要因になっているのであるが、実は彼らは貧乏なために、元はといえば、シューズを買う金がなくて、履きたくても履けなかったというのが真相である。
そのことに気付いた指導者たちが、10才が過ぎるまで子供たちにサッカーシューズの使用を許可しない指導法が、ブラジルでは主流になっており、今では、どんな子供でもそのことを知っていて、たとえシューズを持っていてもサッカーをする時は脱いでプレーする。

そうです。

<つづく>もうすこし続きます。

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