まちだクリニックの町田です。

江部康二先生のブログ、1月21日の記事に興味深いことが書かれていました。
今日の治療指針2015年版、糖尿病の食事指導に糖質制限食より
今日の治療指針2015年版が、2015年1月13日に刊行されました。

その中で、692ページに「糖尿病の食事指導」と題して、山田悟医師(北里研究所病院糖尿病センター・センター長)が執筆しておられます。

山田悟氏は、自他共に許す糖質制限食賛成派ですが、ご自身は「緩やかな糖質制限食」を推奨しておられ、高雄病院の「スーパー糖質制限食」とは距離をおく立場です。

私は、日本糖尿病学会内部で、糖質制限食を推奨する山田悟氏の立場はよく理解できますし、その役割は大きいと思い応援しています。

ともあれ、日本の医学書で最もポピュラーなものの一つが「今日の治療指針」です。

おそらく、医療機関の9割以上が「今日の治療指針を」所持していると思います。

その定番医学書の執筆者に、糖質制限食賛成派の医師が抜擢されたのですから、今昔(こんじゃく)の感(かん)があります。
素直に大変喜ばしい出来事です。

2014年6月、日経メディカルの「糖質制限食」に関する医師へのアンケート調査が実施されました。

2263名の有効回答のうち、58.3%が糖質制限食肯定という立場であることが、日経メディカルオンライン2014/7/9の記事として掲載されました。

2014年、2015年と糖質制限食に、大きな追い風がまたまた吹いているようです。

さて、今日の治療指針2015年版、「糖尿病の食事指導」の項目では

『・・・食事療法に唯一無二の方法は存在しない。・・・
・・・選択可能な食事療法として、カロリー制限食、糖質制限食、順番ダイエット、
低GI食、地中海食などがある・・・』

と記載してあり、明らかに、米国糖尿病学会の2013年10月の栄養療法に関する声明を意識した内容です。

<米国糖尿病学会の2013年10月の栄養療法に関する声明>
全ての糖尿病患者に適した”one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないと明言。 
→ patient-centered approach を強調。
患者ごとに個別に様々な食事パターン
〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH食〕が受容可能。

山田氏は次に、カロリー制限食と糖質制限食の解説を述べています。

糖質制限食の具体的な解説に大きくスペースがさいてあり、山田氏の糖質制限食に対する熱意を感じました。

糖質制限食、ホップ、ステップ、ジャンプの予感ですね。

江部康二

江部康二先生は京都の高尾病院で10年以上前から糖質制限を行い数多くの糖尿病患者に希望の光を与えてくれた先生で、著書を読んで「ぜひ沖縄で講演をしていただきたい」とお願いしたところ快く引き受けていただきました。
講演会を行ったのは2年前です。諸般の事情で医療関係者のみとなりましたが「自らが糖質制限を行っている」「家族に糖質制限を勧めている」医師も参加していただき大変有意義な講演会だったと思います。

学会の重鎮と言われる先生の反対意見はありますが、糖質制限食の広がりは止めようがないようです。
沖縄ではこくらクリニックの渡辺信幸先生、中部徳洲会病院の今西康次先生がMEC食として糖質過剰隣っている現代食に警鐘を鳴らしていただいています。

まちだクリニックでは消化器専門医の立場から糖質制限食(MEC食)を推奨しています。
当クリニックは胃カメラ、大腸カメラ検査専門クリニックです。
経鼻内視鏡も行っています。
検査をご希望の方はお気軽にご相談ください。

まちだクリニック