京都で開催された日本消化器内視鏡学会に5月14日、15日参加してきました。
今回の私の一番の興味はAIM社の内視鏡AI体験でした。

内視鏡AIとして、当院はCAD-EYEというフジフィルム社製の内視鏡AI製品を2020年12月にすでに導入済みですが、これは大腸内視鏡の際にポリープの探索補助、ならびに腫瘍性病変なのかそうではないのか(がんの可能性があるかないか)という判断の補助をしてくれる製品でした。

今回体験したAIM社の製品は胃癌の診断補助をしてくれる製品です。大腸癌と違って胃がんは隆起の少ないもしくは潰瘍形成するものが多く、もともとピロリ菌などの胃炎があるとさらに早期での判別が難しいことが多いのですが、このAIは通常判別しにくい早期胃がんを発見するのにとても有効だと感じました。

世界初の製品であり、国から発売認可が降りるのを待っている状況です。日本の医療費制度では、発売許可がおりても「薬価収載」というハードルが残っています。薬価収載されていないと、がんの早期発見に役立つAI製品を使用したからといって「健康保険では使えない」のです。つまり高額な製品を購入しても患者さんに費用請求できないわけです。実際、大腸内視鏡AI製品を導入しましたが、保険点数は変化なく、AI製品を導入前後で検査費用は変わりません。高額な製品を購入した分、支出は増えていますので経営的には厳しいものです。

がんの早期発見早期治療につながる素晴らしい技術なので、広く普及することで国民全体のメリットになると思います。その点も含めて厚生労働省にはAI製品を導入した病院がかえって赤字になるというような状況にならないような保険点数設定をして欲しいと思います。

AIM社CEOの多田先生と一緒に写真を撮っていただきました。

多田先生は東大ご卒業後、埼玉で当院のような内視鏡クリニックを開業されていまして、埼玉から沖縄に転居された方でご紹介いただいたこともあります。

まちだクリニック