右下腿の低温火傷
まちだクリニックの町田宏です。
当院では火傷の治療を「湿潤療法(うるおい療法)」で行っています。
湿潤療法、うるおい療法とは「消毒しない」「乾かさない」治療方法で、消毒をして軟膏を塗り、ガーゼを当てるという従来の治療とは治療方法が異なります。
やけど(低温火傷)の治療経過です。
炎や高温の油などによる熱傷と低温火傷は少し違った経過となる事が多いです。
低温火傷は一気に高温にさらされるわけではないので「気がついたら火傷をしていた」という印象を持つ事がありますが、いわゆる「中まで火が通る」状態となっているため案外深いやけどとなっている事があります。
湯たんぽで右下腿を火傷された方です。
水疱ができていたため翌日、近くの皮膚科受診をされ、水疱を潰してもらい軟膏を処方してもらったそうです。
2週間後再診し、治りがおそいとの事で薬剤を変更。
1週後 再度薬剤変更。
傷が黒くなってきたため5日後再診、総合病院へ紹介され薬剤を変更。
「これでだめなら植皮をしたほうがいい」と説明されたそうです。
植皮以外に治療方法はないかとインターネットで検索して当院を見つけていただき「何かいい方法はありませんか?」と相談されました。
傷は縦が5cm、最大径が約6cmの大きさでした。
診せていただいた上で「低温火傷は表面だけの火傷ではなく思った以上に深くまで障害を受けているため治りに時間がかかりますが、この火傷は湿潤療法を行えば植皮する必要はないと思います。」と説明させていただき湿潤療法での治療を開始しました。
傷の縁が少し気になったので局所麻酔をして傷の縁を一部除去しました。
翌日、出血がないかどうか来院していただきました。
ワセリンと穴あきポリ袋を用いて自宅で湿潤治療を行っていただき週1回受診していただきました。
約5週で写真の状態まで改善しましたので通院終了とし、あとはご自宅でワセリン塗布をもうしばらく続けていただくようにお願いしました。
植皮しないで治ってよかったと思います。
湿潤療法について詳しく知りたい方は「新しい創傷治療」で検索してみてください。
まちだクリニックは火傷や擦り傷などの外傷の治療の他、胃カメラ、大腸カメラ検査を行っています。
胃カメラは鼻から行うこともできます。
胃カメラ大腸カメラともに鎮静剤を使用することもできます。
(鎮静剤をご希望される方は当日車の運転を行わないようにしてください)
胃・大腸検査をご希望の方はお気軽にご相談ください。
ピロリ菌の検査・治療もご相談ください。
(写真は患者さんの許可をいただいています)