まちだクリニックの町田です。

本の紹介です。
化学物質はなぜ嫌われるのか
佐藤健太郎著

確かに化学物質というと条件反射的に避けようとすることがありますね。
逆に「天然由来」とか「自然素材」というと好んで受け入れられがちです。

ただ、天然とか合成とかを区別することはあまり意味が無いでしょう。
フグやトリカブト、ハブなどの毒は天然由来です。
また、火山などから出る有毒ガスも「天然」です。
何年か前に問題になった石鹸で有害の原因となったものは小麦の成分でした。

有毒物質の代名詞のように使われる「ダイオキシン」も専門家の間では人間に対しての毒性は当初の予想よりかなり低いものではないかと言われているようです。
1976年、北イタリアの農薬工場で事故が起こり推定40〜130kg(モルモットで計算した致死量にして約22億人分)のダイオキシンが飛び散り住民1万7千人が吸い込み血中ダイオキシン濃度は通常の2千〜5千倍になったようです。
しかしながら死者は一人も出ず、胎児への特別な異常もなかったとのことです。
2004年ウクライナ共和国の大統領候補であったユシチェンコ氏はダイオキシンを盛られ人相が変わるほどのひどいニキビができたそうですが命には別条がなかったそうです。
ダイオキシンの人間への急性毒性は「サリンの17倍」と言われているそうですが、少なくともサリンよりは毒性が少ないでしょう。

そのほかコラーゲンの事、ポリフェノールの事、医薬品の事にも触れられています。

では我々は生きていく上で、どのくらいのリスクを許容すべきなのかーーー。
ロンドン大学のジョン・エムズリー教授は、「1万分の1以下のリスクなら受け入れるのが現代人の姿勢だろう」と提唱しています。これがどのくらいの数字かというと。母親が出産時に無くなる確率、三つ子が生まれる確率がいずれも1万分の1レベルであるそうです。
また、交通事故で亡くなる確率もほぼ1万分の1前後ですから、我々はすでにこのリスクを受け入れて現代の車社会を生きているともいえます。
(31、32頁)

現代社会では化学物質も避けては通れないものです。
長所や短所をよく知って賢く付き合っていけば不安も最小限に抑えることができるでしょう。

医療もリスクを避けては通れないものです。
もちろん内視鏡検査にもリスクはあります。
しかし、検査を受けないことにもリスクがあります。

まちだクリニックは胃カメラ、大腸カメラ検査専門で行っています。
胃カメラは鼻から行うこともできます。
胃カメラ大腸カメラともに鎮静剤を使用することもできます。
(鎮静剤をご希望される方は当日車の運転を行わないようにしてください)

検査をご希望の方はお気軽にご相談ください。

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